農業・農村には、私たちが生きていくために必要な米や野菜、果物などを生産する役割のほかに、安全や安心などさまざまなかたち(役割)で私たちの生活を支えています。
例えば、水田は雨水を一時的に貯留し、洪水や土砂崩れを防止します。そして、多様な生き物を育みます。また、美しい農村の風景は、私たちの心を和ませてくれ、教育や休養の場として大きな役割を果たしています。
このような多くの役割のことを「農業・農村の多面的機能」と呼んでいます。
(出典:農林水産省Webサイト)
〇洪水防止機能
畦畔に囲まれた田や耕作されている畑の土壌には、雨水を一時的に貯留する働きがあります。そのため、農地はダムのように洪水を防止する役割を果たしています。
〇土砂崩壊防止機能
斜面に作られた田畑は日々の手入れによって土砂崩れを未然に防止することができます。また、田畑を耕作することで、雨が降っても雨水を地下にゆっくりとしみこませ、地下水位が急上昇することを押さえる働きがあり、地すべりなどの災害を防止しています。
〇土壌侵食防止機能
田畑の作物や田に張られた水は、雨や風から土壌を守り、下流域に土壌が流出するのを防ぐ働きがあります。
〇地下水涵養機能
田畑に貯留した雨水等の多くは地下にゆっくりと浸透して地下水となり、下流地域の生活用水などに利用されています。
〇気候緩和機能
田の水面からの水分の蒸発や、作物の蒸散により、空気が冷やされます。この冷涼な空気は、周辺市街地の気温上昇を抑える効果もあります。
〇その他の機能
その他の機能として、「保健休養機能」「生物多様性保全機能」「景観保全機能」「文化の伝承機能」「教育の場としての機能」など幅広い機能があります。
田んぼダムとは、水田が持つ多面的機能の1つの洪水防止機能を活用した取組みで、大雨が降った時に、雨水を一時的に貯留し、水田からのピーク流出量を抑制して、下流域の農地の冠水や住宅地の浸水被害を軽減するものです。
近年の気候変動による降雨の局地化や雨量の増大により、各地で大きな災害が発生しています。大野町においても、短時間で局地的に激しい雨が降り、三水川の水位が急激に上昇、三水川に接続する排水路が越水し、道路等が冠水したことがあります。
水田の所有者や耕作者の皆さん、大雨の際は、水田からの排水の流出量を抑制していただき、浸水等の被害軽減が図れるよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
(出典:農林水産省Webサイト)