平成29年度税制改正により、上場株式等の配当所得等および譲渡所得等(源泉徴収ありの特定口座を選択した場合)について、平成29年4月1日から所得税と個人住民税(町県民税)で異なる課税方式(申告不要制度、総合課税、申告分離課税)を選択できることが明確化されました。
確定申告および住民税申告(町県民税申告)にかかるそれぞれの課税方式については、次の表のとおりです。
課税方式 | 所得税(確定申告) | 住民税(町県民税申告) |
---|---|---|
申告不要制度 | ◎配当所得等が合計所得に加算されない | ◎配当所得等が合計所得に加算されない ・配当所得等が国民健康保険税等の算定に加算されない。 ・源泉徴収されている住民税額が、住民税の算定に反映されない。 |
総合課税 | ◎配当所得等が合計所得に加算される ・配当控除の適用が受けられるほか、源泉徴収されている所得税額が確定申告の所得税に反映される。 | ◎配当所得等が合計所得に加算される |
申告分離課税 | ◎配当所得等が合計所得に加算される ・源泉徴収されている所得税額が確定申告の所得税に反映される。 ・上場株式等にかかる譲渡損失と損益通算および繰越控除ができる。 ・配当控除の適用が受けられない。 | ◎配当所得等が合計所得に加算される ・源泉徴収されている住民税額が、住民税の算定に反映される。 ・上場株式等にかかる譲渡損失と損益通算および繰越控除ができる。 ・配当控除の適用が受けられない。 |
所得の種類と選択できる課税方式は、次の表のとおりです。
課税方式の選択例 :所得税では「申告分離課税」、住民税では「申告不要制度」を選択する など
所得の種類 | 選択できる課税方式 | ||
---|---|---|---|
上場株式等の配当所得 | 申告不要制度 | 申告分離課税 | 総合課税 |
特定公社債等の利子所得 | 申告不要制度 | 申告分離課税 | ー |
源泉徴収ありの特定口座内の 上場株式等の譲渡所得等 | 申告不要制度 | 申告分離課税 | ー |
所得税と異なる課税方式を選択する場合、確定申告とは別に町民税・県民税申告書(上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書)を提出してください。
提出の際は確定申告書および特定口座年間取引報告書等の写しを添付してください。添付がない場合は確定申告書の内容で課税する場合があります。
※令和2年度までは町県民税申告書をご提出いただいておりましたが、令和3年度からは上記申告書(申出書)をご提出いただくこととしましたので、ご理解ご協力をお願いします。
※住民税申告書のご提出がない場合は、所得税と同様の課税方式が適用となります。
※申告の際の計算はご自身で行っていただき、どの制度を利用するかについてもご自身で選択いただきます。
対象となる上場株式等の配当所得等および譲渡所得等については、所得税15.315%(復興特別所得税分含む)と個人住民税5%の合計20.315%であらかじめ源泉徴収されているものとなります(所得税20.42%を源泉徴収されているものは対象ではありません。)。
総合課税または申告分離課税として申告された上場株式等の配当所得等は、合計所得金額に算入されるため、その金額によっては配偶者控除や扶養控除の対象から外れることや、所得金額を算定基礎としている国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、介護保険料(自己負担割合含む)等の金額が上がることもありますのでご注意ください。
個人住民税で申告不要制度を選択した場合、個人住民税で配当割額控除、譲渡所得割額控除、配当控除の適用はありません。
所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択した場合、医療費控除や外国税額控除、譲渡所得の繰越損失額について、所得税と個人住民税で差異が生じる可能性があります。
確定申告において上場株式等に係る譲渡損失の申告をし、個人住民税で申告不要制度を選択した場合、翌年度以降の個人住民税の算定において繰越控除は適用されません。
上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書